聖徳太子が建立したとされる奈良県斑鳩町の中宮寺跡(国史跡)で、創建当初(7世紀前半)にあった塔の心柱を建てるために組んだやぐらとみられる柱穴2基が見つかり、斑鳩町教委が18日、発表した。心柱用のやぐら跡としては初めての確認例で、古代に高い塔を建立した作業工程を解明するうえで貴重な成果となりそうだ。
史跡整備に伴い塔基壇と周辺を調査。基壇中央の地中に置かれた心礎(東西約1・75メートル、南北約1・35メートル、花崗(かこう)岩製)西側の断面で、柱穴2基を確認した。それぞれ心礎から南北に5メートルずつ離れていた。基壇築成の整地中に掘った後に、柱を抜き取っている状況から、町教委は心柱を建てる際のやぐらの柱穴と判断した。
町教委などは、やぐらは4本柱で組まれ、頂部に滑車のようなものを設置し、西側から綱を引いて心柱を建てたと推測。塔は三重で、心柱とやぐらの高さは約20メートルと考えられるという。
中宮寺は聖徳太子が母、穴穂部間人(はしひと)皇后の宮を寺院にしたと伝わり、「太子建立七カ寺」の一つ。室町時代に約500メートル西にある現在の中宮寺に移ったとされる。
整備検討委員長の大脇潔・近畿大教授(考古学)は「塔の心柱の建て方が具体的に解明できた。他の塔跡にもあるはずで、今後はこうした柱穴を意識し調査してほしい」と話している。
現地説明会は住民向けは20日午後1時、一般向けは21日午前10時から。
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