全国自治体病院協議会(全自病)の邉見公雄会長は1月20日の記者会見で、来年度診療報酬の改定率が0.19%の引き上げになったことについて、「希望を持って前向きにとらえたい」とする一方、「悪く言えば、なんぼでも悪く言える」「財務省のDNAが非常に強いということがよく分かった」などと批判した。
邉見会長は診療報酬改定率について、現場などから「(民主党の)マニフェストから大きく後退したので残念だ」「1ケタ違うのではないか」などの意見が出ていることを明らかにした上で、「(前回改定分のマイナス)3.16%だけは返してくれるのではないかと、足立(信也厚生労働)政務官がずっと言っていたので願っていたが、この国は財務省のDNAが非常に強いということがよく分かった」などと述べた。
一方、4月の診療報酬改定で、改定率の0.19%引き上げに伴う新たな財源の配分が急性期医療や手術、産科、小児科などに付けば、厳しい現状の改善が見込めるとの考えを示した。また、2012年度の改定までに経済状況が改善し、「もう少しいい診療報酬になればと思う」との期待感を示した。
会見に同席した中島豊爾副会長は、中央社会保険医療協議会(中医協)が15日に取りまとめた来年度診療報酬改定の「現時点の骨子案」の中に「質の高い精神科入院医療等の推進」が盛り込まれたことについて、「精神科医療の質を高めようという意欲をはっきりと見せてくれた」と評価した。一方、発達障害や思春期うつ病などの児童思春期の精神疾患患者の治療を行う専門病棟への評価については、「決して入院だけでは完結しない」と指摘。実際の入院期間は短く、地域内でフォローする必要があるため、外来への評価の充実も求めた。
■中医協の議題は委員が決定を
中医協で示される議題について邉見会長は、「今は厚生労働省が議題を決めて審議している」などと指摘。12年度改定に当たっては、医療の現場に近い委員が議題を決めるべきだとの考えを示した。
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